「困ったときはお互い様。自分にできること。」~第二章~
2月1日の能登半島で感じた支援の意味

2024年1月1日に発生した能登半島地震から、1年以上が経ちました。現在、復興の2年目を迎えています。しかし、現地に行ってみると、まだまだ復興の道のりは長く、支援が必要な状況が続いています。

第一章記事はこちらから

スポーツが生んだ笑顔

今回のメインのイベントは門前のみなさんとのスポーツイベントでした。
僕はHEROsのメンバーと参加、他にも災害NPO法人の結さんや門前のみなさんと一緒にスポ―とイベントを開催しました。

ラグビー元日本代表の五郎丸さんやハンドボール元日本代表の東さんをはじめ
たくさんの元アスリートや現役選手が会場の門前中学校に集まりました。

デモンストレーションでは五郎丸ポーズ。元プロのバスケットボール選手によるダンクシュートを披露し会場には歓声と拍手が起こりました。

ラグビー、サッカー、バスケットボール、恵方巻を作る班などに別れ、地域の方々と交流し、僕はボッチャを担当しました。

「こんなに笑ったのは久しぶりや。いつぶりやろう。」

ボッチャは障害の有無に関係なく楽しめるユニバーサルスポーツです。

最初は遠慮して端に座っているおじいちゃん、おばあちゃん。

「せっかくだから、やりましょうよ!」
そう僕が声をかけると、

「やったことないし…」とまたまた遠慮で逃げられる。

「やりましょ!やりましょ!みんなやったことないから大丈夫!」
ここまで来たら引き下がれないからと、強引に誘う僕。

しぶしぶ輪の中に入ってきてくれましたが…
いつの間にかみんな笑顔。スポーツの力はすごいですよね。

ゲームが終わった後、あるおばあちゃんが僕にこう言いました。

「こんなに笑ったのは久しぶりや。いつぶりやろう。」

ちょっと泣けましたね。
「こんな僕でも力になれるんや~」って思ったら。

恵方巻、豆まき、そして音楽、笑顔に包まれイベントが終わる…

ひとしきりスポーツを楽しんだあと、みんなで一緒に同じ方向を向き恵方巻を頬張った。
ざわざわした空間から静かになった空気感が何とも言えず、ふざけたくなった。
料理班が作ってくれた郷土料理のとり野菜みそが冷えた体に染みわたった。

仮設住宅での生活

今でも多くの方が仮設住宅で暮らしている。
話をする中で、こんな話になった。

「こうやって普段集まれることって少ないから嬉しい。」
きっと本心だと思う。

「じゃあまたみんなで集まってボッチャの大会やりましょう!」
「僕ボッチャのセット送るから。練習しといてくださいね!」
「だから必ずまた会いましょうね!」と僕が言う。
これも本心だ。

約束をして門前中学校を後にした。

「困ったときはお互い様だ。」

次回に続く